trap / hyperpop のボーカルmixで使えるプラグイン集Part2【2022】
前回の続きです。
4. ダイナミクス編
Waves - CLA-2A
とりあえず、DAW付属のコンプレッサーからステップアップするときにチョイスされがちなプラグイン。見た目通り伝説の名機「LA-2A」をプラグインにしたものであり、2022年現在はWavesのこのプラグインよりも質が高いものが様々ありますが、それでもまだ使える音です。独特のチューブ感が付加される感じはまだ使えます。
Slate Digital FG-2A
こちらも、LA-2Aをシミュレートしたものですが再現度や音の良さはCLA-2Aより良い印象です。もちろん最強はUADのプラグインですが、UAD環境がない場合はこちらが第一候補になりそう。また、MIXノブがついているのでプラグイン内でパラレルコンプレッション(コンプをかけた音とかけてない音のバランスを取ること)が行える点もポイント。非常におすすめです。
同様に、FG-116もおすすめです。
1176系のコンプレッサーですが、これにMIXノブが付いているのはありがたい!音も良いです、こういう直列で2つ使うのにハマってます。
Pulsar Mu
最近使い始めたのですが、音の粒が綺麗にまとまる気がします。真空管コンプなので太く温かい音になるのはもちろん、若干リッチな音になる気がします。
メーターが画像のメーターの他にデジタルメーターもあるので見やすいです。また、オーバーサンプリング機能を使うことで音がどんどん艷やかになります。(そのかわりCPU負荷はエグくなります)
VoosteQ - Material Comp
こいつは一番新しく導入したプラグインでまだ使いこなせていないですが、コンプモードが6種類から選べるのが強みです。
この中だと、モダンが特に使いやすい印象です。
また、Special SectionにあるPunch、Groove、Imagerの値をいじるとそれっぽくなります。これから積極的に使っていきます。
5. 空間系
Valhalla DSP - Valhalla VintageVerb
色付けされているリバーブプラグインの中では一番音がいいし、CPU負荷も軽いです。三色のカラーが選べるのでクラシックサウンドからモダンサウンドまでこれでいけます。プレートリバーブを使う事が多いです。
Fabfilter - Pro-R
とにかく、めちゃくちゃ音がいいです。このリバーブを使ったあとにWavesのリバーブを挿すと「ショッボw」ってなるくらい音がいい。マジで。これは世界変わります。おすすめ。高いだけあります。
Waves - H-Delay
5年間ほど、こいつがボーカルに刺さらなかったことはないです。そのまま使うもよし、こいつのあとに歪み系のエフェクトを入れるのもとてもおすすめ。また、小節だけでなくms単位で設定もできるので、ボーカル裏技設定として知られる189ms設定も出来ます。(参考 ↓)
可もなく不可もないのでいい感じ。trap系だとセンドトラックにauto tune挿すのか問題などもありますが、色々試して気に入った設定を使うのがmixで曲を無駄に没にしないコツです。
次回は歪み/特殊エフェクト(グリッチなど)を紹介します。
trap / hyperpop のボーカルmixで使えるプラグイン集Part1【2022】
近年ボーカルmixに対する重要性や需要が上がってきたことに比例して、各プラグインメーカーからも強力なプラグインが多数リリースされています。
ここでは自分のメモも兼ねて、普段ボーカルmixで使っているプラグインを厳選して書き連ねていこうと思います。
(ちなみに、当方Studio Oneユーザーなので使いやすさの評価などはそれに準拠しています。ご注意ください。)
1. ピッチ編
ANTARES - AUTO-TUNE PRO
言わずもがなのプラグイン。とりあえずボーカルには適当に挿します。オートモードでしか使わないならPROじゃなくてArtistとかでもぶっちゃけいいです。
DAWの返しを使って、ライブやレコーディング中でもオートチューンをかけたい場合は歯車マークからUse Low Latencyにチェックをつけるのを忘れずに(そのまま何十トラックもコピーするとCPU負荷が大変なことになります)。CLASSICモードで使うとAUTO-TUNE 5の音が再現され、レイテンシーも少なくなります。適材適所でお好きな方をかけましょう。
Wavesのバンドルから手に入れてる人も多いと思います。CPU負荷もAuto tuneより軽いしレイテンシーも少ないので使えます。また、Auto tuneと比較して結構音が変わるのでこちらも好みで。ボーカリストによってどっちのほうが強くかかるか変わる印象です。
ただ、どちらかを持っていれば大丈夫だと思います。
Melda - MAutoPitch
こいつはフリーのプラグインですが出番は多いです。特にフォルマントシフトがずば抜けていて、上記のプラグインよりも鼻声になりにくく、綺麗に上がります。hyperpopではフォルマントだけこいつであげるのもおすすめ。
2. ディエッサー編
FabFilter Pro-DS
こいつは使いこなせればかなり強いです。音や歯擦音(Sの発音)の検出精度もピカイチに良いですし、M/S処理までできてしまいます。視認性も良いと言われていますが、その点は僕の中では後述するSibilanceに軍配が上がります。
オーバーサンプリングができる点も魅力ですが、ディエッサーはあくまで下処理なのでそこまで多機能過ぎなくてもいいかなという印象で、無理して買う必要はないと思います。
Waves - Sibilance
見やすい!つまみが少ない!音も悪くない!
こいつは無料配布されていた時期もあるプラグインですが、めちゃくちゃ使いやすいのでDAW付属のディエッサーからステップアップしたい人におすすめ。Wavesのプラグインすべてに共通して言えることですが、とにかく簡単で良い効果が得られます。
OEKSOUND - SOOTHE2
こ い つ が 優 勝 。
去年一番衝撃を受けたプラグインです。こいつをディエッサーという括りで紹介するのはとてもナンセンスなのですが、公式が言ってるんだからしょうがない。
こいつは「EQ感覚で使用できるレゾナンスサプレッサー&ディエッサー」です。意味がわかりますか?僕はわかりませんでした。
誤解を恐れずに言うと、「耳に刺さる音域を削ってくれる」プラグインです。ボーカルに挿していい感じにセッティングするだけで歯擦音だけでなく、邪魔なピークが綺麗に消えます。かけすぎると平べったいボーカルになるので注意。こんなプラグインがあるせいでピーキングなんていう作業はほぼ必要なくなりました。まさに魔法のプラグインです。プリセットも豊富なので色々試してみると面白そう。
3. EQ編
Fabfilter - Pro-Q3
今や定番、どんなジャンルの人も使っているEQなので細かい説明は割愛します。アナライザーがヌルヌル動くと気持ちいいですね。
Slate Digital FG-N (Virtual Mix Rack)
こいつはマイナーなプラグインですが、VMRというプラグインの中で使うことができます。見た目の通りNEVE1073のモデリングプラグインであり、特に下のプリアンプ部分のサチュレーション効果がすごいです。実機同様ハイシェルフも綺麗に上がります。Slate Digitalのモデリングプラグインはマイナーですが、なかなか光るものがあります。
Waves - Scheps 73
またもNEVE1073モデリングのプラグイン。僕的にボーカルには73モデリングのEQがマストです。
こいつのVocal 1プリセットをかけるだけでも綺羅びやかな音に早変わりします。味付けとしてとても使えるのでおすすめ。こいつのハイシェルフは上げていくと音がだんだん尖っていく印象なので、soothe2などと併用するのが良いです。
Waves - H-EQ
個人的にpro-q3がメジャーになる前、アナライザーが見えるEQといえばこれでした。デジタルEQの見た目をしていながらアナログEQの質感でかけることができ、さらに周波数ごとにアナログの味付けを変えることができます。画像にあるLEVELのところを0にしないとサーといういらないノイズまでアナログシミュレートしてしまうので絶対切りましょう。コピーして30トラックとかに挿すと爆音のホワイトノイズが流れます。
流行りのハイ強めのイコライジングをすると音痩せする傾向がありますが、サチュレーターなどと併用するとH-EQでしか作れない質感の音になります。目の前で歌っているかのようにボーカルを演出したいときに欠かせないかもしれません。(もちろん、その場合はコンプレッションも重要な要素になります)
A.O.M - tranQuilizr G2
こいつは逆に、あまり音痩せしないでイコライジングができるプラグインです。原音の空気感を絶妙に保ってくれるので痒いところに手が届きます。画像では大雑把にしかかけていませんが、色々弄っても音が明瞭です。また、オーバーサンプリングができるのも魅力の一つです。わかりやすく言うと、とにかく音がいいです。
流石に一晩で全部は書ききれないので好評なら続きます。ダイナミクス編とかリバーブ編とかは群雄割拠になりそう。また、hyperpop特有のグリッチ感だったり特殊エフェクトの類もまとめたいと思います。